見渡せば、はてブはバカばかり

相変わらず「似非科学」以前の頓珍漢な話でPage Viewを集めようとしているので、しっかり釣られて叩きまくろう。
「『誰かがやらなくてはならない生産性の低い仕事』はどこまで本当か?」というタイトルからして何が言いたいのか分からない。「生産性の低い仕事」の何が「本当なのか」を問いたいのだろうか。その仕事が存在するか? 本当に生産性が低いのか否か? それとも「誰かがやらなくてはならない」のは本当か? と言っているのか?
多分、言っている本人ですら分かっていないに違いない。いつもながら日本語が曖昧で、それは書き手のオツムの程度がかなーり低いことを表している。それが、同じくモノを考えるのが苦手な読者の支持を集める要因であろう。一つ一つの事象を検証することなく、なんとなく分かった様な気分にさせてくれるところ、頭を使う労力をサボったままで賢くなったような錯覚を起こさせてくれるところがこのblogの人気の秘密である。

世の中的に生産性の低いとされてしまう人には、次の3つのタイプがあります。
(1)多くの消費者があまり高い価値を認めない仕事で、労働力が不足していない仕事に、労働力を提供しようとする人。
(2)同じ仕事を、能率の悪いやり方でやる人。
(3)価値を創造する余地がある立場にあるのに、新しい価値を創造しない人。
「誰かがやらなくてはならない生産性の低い仕事」はどこまで本当か? - 分裂勘違い君劇場

主題は「生産性」のようであるが、その意味は「資源から付加価値を生み出す際の効率の程度のこと」であり、一方、(1)は労働需要の話であって効率については論じられていないので、明らかに当てはまらない。従って「掃除のオジサン」の話も「マクドナルドの店員さん」の話も間違い。生産性は消費者の主観などとは無関係である。例えば、チョコレートの生産性が上がり、以前に比してより安いコストで製造することが可能となったとして、消費者が直接にそれを認識する手立てはない。それによって価格が下がったとき、かろうじて気づくかどうか程度の事であり、既に十分に売れていることからメーカー側が価格に反映せずに、より高い粗利を享受するといった手段に出ることも考えられる。そして、その利益が賃金に還元されるかは、まったくもって保証の限りではないのである。
因みに404 Blog Not Foundでは、「理由はもう一つある。『駅の掃除なら、誰でもできる』からだ。」と言っているが、「誰でもできる」から「多くの消費者があまり高い価値を認めない」のであって(1)と同じ事を言っているに過ぎず、全然「もう一つ」の「理由」とはなっていない。
(2)については生産性の話になっているのでこれでよろしい。(3)についても「価値を創造する」とあるのでそれほど的を外してはいないと思われるものの、こやつの場合果たして「価値」の意味が分かっているのか不安なところがあるし、単に価値を創造するのではなく、その効率が問題である点を理解しているのか、いささか心もとない。

みんなが、このようにして生産性を向上させることで、幸せになる人はいても、困る人は誰もいません。なぜなら、その結果、生産性の低い職種から人がいなくなれば、需給バランスの関係で、その職種の生産性は、自動的に高くなるからです。つまり、結果として、ぼくの大好きな駅の掃除のオジサンの給料が上がるのです。
「誰かがやらなくてはならない生産性の低い仕事」はどこまで本当か? - 分裂勘違い君劇場

バカの極み。生産性が上がれば余剰人員が発生し、首を切られた人は「掃除のオジサン」にならざるを得ない。「掃除のオジサン」の供給が増えたら「給料」は下がりこそすれ「上がる」ことはなかろう。「掃除」の「生産性」まで上がり始めたりしたら、更に「誰でもできる」賃金の低い仕事に甘んじるほかなく、結果としてワーキング・プアが増えることとなる。高度成長期にはパイがどんどん大きくなっていたから、生産性が上がっても更に工場を建てるとか販売人員を拡充するとかで余剰人員は発生しにくかったが、今やそんな甘い時代ではない。今日の日経にも書いてある通り、非正社員の活用により労働分配率は5年前に比して8.9ポイントも下がったと報じられている。何が「困る人は誰もいません」だ。こんなバカを言っている奴が生産性を上げられる筈はないから、真っ先にお前が失業して「困る」羽目になるぞ!!
まとめ : 労働需給と生産性をごっちゃにしている大馬鹿エントリ。恐らく「 働かなくても食っていける社会がもうすぐやってくるよ」に影響を受けて書かれたものと思われる。あれも高効率企業という生産性の高さを前提としていた記事だったからな。まさに類は友を呼ぶの類であって、トンデモはトンデモを再生産するようである。このような糞下らない記事を得意げに書ける神経が理解できないし、また、現時点におけるはてブの数はまだ78だが、またもや「この記事は納得! カイゼンカイゼンっと」だの「上手にまとまってる、すごい!」だの言ってるバカが発生していることからすると、今後更にその数は増えて行くのかもしれない。

[ 追記 ]
ロリコンファル氏が同様のことを述べている。「無限」は高度成長期のパイに、「再分配したくない」は労働分配率の低下に相当している。その結果としての社会不安まではオレは言及しなかったし、モデル化している分だけあちらの方が洗練されていると言えよう。はてなもバカばかりではない。当たり前か。

[ 追記2 ]
「分裂〜」を痛いニュースになぞらえていた人もいたが、むしろ「あるある〜」ではないか。「分裂〜」に納得してしまうのは即効速攻で納豆を買いに行ってしまうのと変わらない。栄養学の知識など持ち得ない一般の人が、スーパーに走りまではしなくとも「へぇ」くらいに思ってしまうのは無理もないが、「分裂〜」のトンデモぶりは、ちょっと考えてみれば常識で分かることばかりであり、寧ろこっちの方が酷い。その意味で、未だに「分裂〜」そのものが釣りであるという疑いを捨てきれない。