Meta-blogger

日本のblogosphereでは「ネタ」というフレーズがあまりに浸透し過ぎているが故にそこで思考停止しがちであるが、むしろMeta-blogと呼んだほうが良く、ここでは当然のことながら書き手はTricksterの役割を担うこととなる。有用な記事がブクマを集めるのであれば、そうでないものが注目をあびることも可能であって、特に「集団の叡智」とやらが支配するWeb 2.0の世界であれば、まったくもってそれは簡単なことであった。狙い通り、1+1=5を「すごいすごい」と喜ぶ観客は、直ぐに集まって来た。これは一種のPerformanceであり、文字通り「劇場型犯罪」のようなものでもある。
(劇場の外で彼らがどのような振る舞いを為すかは別の話である。)
しかし、この小屋には「真の観客」が殆どいない。「ネタ」と判断した者はさっさと劇場を後にしてしまったし、シナリオのおかしさに気付いた者の中にも、きちっと筋道立った反論を展開できた者は少ない。中途半端な反論には、劇の内容と同じ「極論」で反撃を仕掛けてくるため、余計にいらいらさせられて混乱してしまった者もいる。Meta-blogである以上、反論に対する反論が正確である必要はなく、まさに劇場主がTricksterたる所以である。「マジレス乙」とスカしている者の大半も同様で、彼らが実際にどれだけ正確に「矛盾と偏見と誤謬」を見分けられているかについては大いに不安が残る。無視あるいは静観しただけでは何の解決にもなっておらず、下手をすると自らの思考停止を助長することになる。
彼が反論を為すときには、それをそのまま書くような芸のないことはしない。Webやblogシステム上のあらゆる特徴を生かした策を弄する。これは相手のblog上では難しいので楽屋で行う。しかし舞台裏であれば本音を語ると思ったら大間違いで、それも劇場の一部であることを忘れてはならない。まさに「楽屋落ち」だ。
まったく稀代の書き手と言うほかなく、日本のblogoshereも捨てたものではないがしかし、大盛況であるにも拘らず、この劇は(今のところ)あまり成功しているようには見えない。安易な「答え」に飛びつく解答乞食は勿論のこと、疑念を感じた者にさえ思考停止を促している。真のIntelligentsiaは、その多くがまだネットの外におり、その辺りに転がっているbloggerでは「コラボレーション」を行うどころか、絡め取られるのがオチである。

[ 追記 ]
ここで言う「成功」とは勿論、「もっとよく考えること」。誰かが提供した「解答」を鵜呑みにするのではなく、どこが正しいのか、また間違っているのか、誤りなら正解は何かなどを自分の頭でも考えてみることだろう。他にもいろいろなものを読んで日々考えを修正していくことが望ましい。対象が守備範囲の外である場合には、考えを保留しておけば良く、安易に賛同するのは危険。但し「成功」の定義はこちらが勝手に推測しているだけのことであって、単に読者をからかって遊んでいるだけなら、現状が成功だ。

[ 追記2 ]
その意味では「生産性」とやらに関してAlpha-Bloggerを3人も釣れたのは「成功」であったかも知れない。但し山形氏が「beewad殿経由」で仕入れた話はアンカテの方であるし(こいつはそれ以前にもGoogleさまなら株価を予測できるとか言っていたバカだ)、件の記事がskypeGoogleがなんでもタダでモノをくれると言っていたに過ぎないのに、何故か「生産性」と「賃金」の話に論点がずれてしまっている。まぁ知識の多い人は勝手に話を展開してどんどん進めてしまうのであろう。それにしても「その社会の総消費量で決まる」というフレーズにはマジで吹き出したがなwwww 参照元についてはこう思っている人もいたくらいだし、オレも一時そんな気になっていたw
それにしても、オレにバカ呼ばわりされて脊髄反射していた連中は、「さらに情けないのは、こういうでたらめな話に500以上の『はてなブックマーク』が集まるという状況です」とか「はてなブックマークにしてもトラックバックにしても、多くは単なるバカと無知の表明にすぎないものばかり」と言われてしまったことを重く受け止めなければならないだろう。オレなんかに言われたら腹も立つであろうが、この二人にまで言われちゃぐうの音も出ないだろww これが文系のフツーの反応であって、理系が多いと言われるはてなユーザーにも分かり易いように例えれば、「Cはポインタを弄れないからダメダメ言語である」と言っているようなものなのだよ、アレは(オレも文系なので、仮にこの例えがダメダメであったとしても勘弁して欲しいw)。
[ 追記3 ]
ほら、大喜びだwww